ケツの汚い日本人

前置き


20年くらい前に「お尻だって洗って欲しい」というコピーが流行った。それまでタブー視されたトイレタリーが新聞、雑誌、テレビに頻繁に登場するようになり、広告主のTOTO(トートー)は、その分野の第一人者となり現在に至っている。外国にはビデなる下半身洗浄機が昔からあった。”ウオシュレット”は、その改良製品だが、メイドインジャパンらしく使いやすさ、使い心地、その商品イメージなどが人々の心を打ち、あれよあれよと大繁殖。いまや、日本全国どこへいっても”ウオシュレット”は常識で、たんなる水洗便器だと、ぎゃくに「?」な気持ちになるから不思議だ。
「ウオッシュレット」は一商品名なのに、味の素やホツチキス、バンドエイド、カシオなどと同様、種別名として使用されている。外人が日本で最初に驚くのが成田空港のトイレだとか、、、。
その精巧な作り、簡単な操作法、耐久性など”ウオシュレット”は、いまや世界に誇る”日本の文化”にまで昇華している。


さて、話はかわってカンボジアである。
ここの国の首都プノンペンに暮らす筆者は、何が気に入ったのか、住みついてかれこれ4年を過ぎる。それまでの四十X年の人生を日本で過ごしていた、ものぐさな、筆者が、初めて日本以外で生活したのが、ここカンボジアだ。
平均物価は、日本の1/2〜1/4。
100円に30円くらい足さないと缶ジュースも買えない日本に比べれば、大皿に盛られたホカホカごはんに、それを覆うように載せられる、焼いた豚肉(スープ付き)を食べて、氷たっぷりのグラスに波なみと注がれたベトナム豆のアイスコーヒーを飲んで1.0ドル=約105円(注:5年前)のカンボジアは暮らし易いと言える。

家賃も、日本の標準とはカタチが違うが屋上ベランダつき2LDKが月170ドル(2万円弱(注:5年前))は、高くはない。もちろん、探せば月30ドルとかの部屋は腐るほどあるが、せめて、電気が着いて、トイレも水洗で、シャワーも出る、それで、場所も悪くないとなれば、まあ妥当な部屋だ。
電気代がエアコンを極力使わない生活で、月45ドル。水道やテレビ受信料が2ヶ月で10ドルくらいかかるが、こちとら、一応の"ガイジン"だから、このくらいはやむ負えない。
プライド(ガイジンである事)をかなぐり捨てて、腐るほどある、前述の月30ドル部屋と云う選択は、本当に人間が、腐りそうだから、敢えて?しない。

というわけで、生活は日本に比べればラクチンなものだ。たまに、仲間とゴルフをしたり、酒を飲んで騒いだりしても、それで、翌日から生活に窮するという深刻さはなかった。2年目くらいまでは
そんなこんなで4年が過ぎた、そんな感じだ。
4年いても、カンボジア語の現地語であるクメール語は、食事の注文に必要な言葉以外はさっぱり判らない。テレビも新聞も本当に見てるだけ。

要するに、日本人である自分がマイペースで生活するのにカンボジアはよい国である。そこで、気になるのが、マイペースで暮らすのに必要な原資だ。
まだ、年金で暮らす歳ではない、年金をもらう年に年金があるとは限らない。
日本から奇特なボランテア団体が自分の為に毎月送金してくれるわけではない。
日本に大金を持っていて、その利息で悠々暮らせる、なんてのもない。 キャバレーのねぇチャンのヒモで、そのお小遣いで遊んでいられる、いわゆるジゴロである?それも、200%ない。
じゃあ、どうしてるか?というと、自ずと、働かなければ金がないのだ。

当然の理屈だが、カンボジアで自分の能力でお金を稼ぐには、約三十X年間培った技術でしかできない。旅行者をダマクラかしてインチキガイドをするとか、逆に日本へ行きたいカンボジア人を斡旋するといった、口でする商売は、経験がないから、やらないと云うより出来ない。
結局、三十X年間培った"デザイン"の仕事で生業をたてて現在に至る だ。

実に前置きが長くなったが、タイトルの「ケツの汚い日本人」へ物語をもっていくために、どうしても必要な前置きなのでよろぴくたのみもうす。いうなれば前戯がこのページです。

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